”大好き”の力
幼い頃から生き物が大好きなAくん。将来は生物の研究ができたらいいなぁ・・・と思っています。
でも生物以外の科目はちょっと苦手...というより、そんなことをやっている暇があったら生物図鑑を眺めている方がよっぽどワクワクするのです。
そんなある日、Aくんは憧れの生物学者と話をする機会を得ました。
その研究者はAくんの知識の豊富さに驚くとともに、自分の研究に興味深々の少年との出会いを心から楽しんでいました。
そして、 『ねぇ、これ、ボクが書いた記事なんだけど読んでくれた?』 とある雑誌を差し出したのです。それは有名な科学雑誌の英語版。Aくんはちょっと悲しそうに言います。
『ボク、英語はあまり読めないんです。』
するとその研究者はニコニコとして言うのです。
『そっか、まだ高校生だもんな。これから英語も勉強して、いつか読んでくれると嬉しいな。』
その日の夜からです。 Aくんは突然英語の猛勉強を始め、記事に載っている単語のひとつひとつをすべて調べあげ、なんとその記事を読み切ってしまったのです。
憧れの人のことをもっと知りたい。大好きなものにもっと触れたい。そんなピュアな気持ちがAくんの苦手意識をひょいと飛び越えた瞬間でした。
大好きという気持ちはずっと大切に育てていきたいですね。