『子どもとしっかり話し合って決めましたから』
そうお母様は晴れ晴れしい顔で仰いました。 しかし当の本人は無表情。(「どうでもいいんじゃね?」そんな声が聞こえてきそうです。)
Aくんは、将来の道に迷っていましたが、やっとなんとなくやりたい方向が見えてきたとのこと。 『〇〇学部を目指そうかな…』
それを聴いたお母さんは大変驚かれるのですが、 『本当に好きなことが見つかってよかったと思います』 と仰ったのです。
しかしその後が大変でした。 『〇〇学部なら△△大学が合うんじゃないかしら?』 『□□大学がその分野では素晴らしいみたいね』
最初はそう寄り添ってくれるお母さんに対し、Aくんは、うんうんと頷いていました。 ところがだんだん風向きが変わり始めます。
『ねえ、本当に〇〇学部でいいの?最初に言っていた××学部のことももう一度考えてみたら?』 『もっとゆっくり考えてみてもいいのよ』 『将来の仕事のことを考えたら、〇〇学部は活躍できる分野が狭いのね…』 『××学部だと~』 『あなたの性格を考えると~』 『〇〇学部は勉強も大変なのね』
そうなんです、お母さんは元々考えていた××学部の方に進んでほしいと思っているのです。
あなたのために…というフレーズを使いながら、話し合いを進めているように見せかけながら、ひたすらに自分の意見を伝え続ける。
そんな、大げさに言ってるだけでしょ? と思われるかもしれませんが、よく聞く話です。 そして子どもたちはこう言います 『自分の意見が通るまで続くからね。これ、話し合いじゃないよね。』
そしてとうとうAくんはこう言いました。 『△△大学に行きます。』 『え?〇〇学部はそこにはないじゃない?』 『もう、面倒なんで。とりあえず△△大学でやれそうなこと探しますよ。』
Aくんに楽しいことが見つかるといいな…と思うばかりです。
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